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京葉工業高校の自転車部選手が激突死

 同じく高校生ライダーの話ながら、こちらは悲しいニュース。
 この報道では東京新聞が詳しい、というか、個人的思いが走っている。

自転車部練習2人衝突死 強豪校の高校生 違法駐車の車に

2007年7月20日 朝刊

 十九日午後一時五十分ごろ、千葉市美浜区美浜一の市道で、千葉県立京葉工業高三年で自転車競技部員の須藤哲也さん(17)=同県東金市田間=と高橋匠さん(18)=千葉市花見川区畑町=が、競技用自転車で走行中、道路左側に駐車していた乗用車に衝突した。二人は頭などを強く打ち、間もなく死亡した。
 千葉西署の調べでは、二人は同日午後から部活動の練習をしていた。他の部員二人とともに車道左端を縦一列に並んで走っていたところ、先頭の須藤さんと二番目の高橋さんが相次いで車にぶつかった。ブレーキをかけた形跡はなかった。自転車は時速五十キロ前後の速度だったとみられる。
 車には誰も乗っておらず、違法駐車だった。同署は自動車運転過失致死の疑いで、車を駐車した千葉市の男性(31)から事情を聴いている。
 現場は片側三車線の見通しのよい直線道路。東京湾に注ぐ花見川河口にかかる橋に近く、周辺に幕張メッセ千葉マリンスタジアムなどの大型施設が集中している。
 同校の自転車競技部は全国大会で上位入賞の経験もある強豪。須藤さんは個人スプリント、高橋さんは団体スプリントの部門で、それぞれ今年の県大会で優勝し、今月末から佐賀県で開かれるインターハイに出場が決まっていたという。
 同部は、道幅が広く交通量が比較的少ないコースを練習コースに指定しており、事故現場も指定コースだった。田辺義博教頭は「安全には注意していたが…。二人は練習に一生懸命で、生活態度も良かった。本当につらい」と肩を落とした。

関係者「技術もある2人が…」

 「なぜ、技術も冷静さもある二人が止まっている車に衝突して死んでしまうのか」。千葉県内の自転車競技関係者らは、こう口をそろえた。
 高橋さんの知人は「小学生のころからロードレース用の自転車に乗り父親と練習していた。技術が高く、公道走行中も冷静。事故現場にブレーキ痕がないなんて信じられない」と話す。
 二人が乗っていた競技用自転車は、トラック競技用の「ピスト」とみられ、公道を走る場合は後輪部にのみブレーキを装着する。国体出場クラスの選手が乗れば、時速五十キロ以上のスピードが出る。その際、選手は強い前傾姿勢を取る。一列で集団走行する場合、空気抵抗を最小限にするため前を走行する選手を“風よけ”とする。車間は二十センチ以下となる場合もあり、視界は狭い。
 道路左側を走る公道練習の場合、先頭のライダーが「駐車車両あり」など、前方の交通状況を手信号などで後続に知らせるのがアマチュアレーサーでも一般的だ。ただ、ある実業団クラスの元選手は「加速する際や疲労が蓄積した場合、下を向いている瞬間がある」とも指摘する。
 自転車のロードレースを趣味とする記者は、高橋さんと同じトラックで練習した経験がある。事故現場もよく通り、彼の死は人ごとではない。
 警察庁は今年、道交法を改正し、自転車の取り締まり強化と安全に通行できる空間の確保に乗り出した。選手が死ななくて済む環境が、早期に実現することを望みたい。 (長久保宏美)

 「後輪部に」じゃなくって「前輪部」じゃないのか、と一応ツッコミ。
 それに、本当にピストだったんだろうか?警察発表を元にした他の新聞の記事では「競技用自転車」としか書いてない。ちょっと調べればわかるだろうに、「ピストとみられ」と書いてしまうってのは、冷静さを欠いているんじゃなかろうか。そもそもオリンピックスプリントのモガキや集団走の練習を街道でやって意味があるんだろうか。複数で街道練習しているのを見たことはないぞ。私はロードバイクでの練習だったんじゃないかと推測する。もし本当にピストで集団走の練習していたのだとしたら、指導に問題あるんじゃなかろうか。
 朝刊の締め切りまでに時間がなかったからこんな記事になったのかもしれないが、いっしょに走っていたチームメイトや顧問や目撃者に取材して、しっかり事実確認した追跡記事を長久保記者には書いてほしいところ。それが今後の事故防止とか自転車への偏見防止のためになると思う。
 このあたりは東京に住んでいた時に何度か走りに行っていたところ。道幅が広く、走りやすい。自動車はスピード上げて走っているけど、駐車車両はまずないところ。
 京葉工業高校といえば、アトランタオリンピックで直前に出場枠を得たスプリントの予選で、ただ一人神山雄一郎に立ち向かった高校生伊勢崎彰大が在籍していた学校。今なら「空気読め」とツッコミの嵐だろう。勝つはずの1000トラで十文字に敗れ涙に暮れた神山をこの枠でオリンピックに出してやろうという雰囲気が満ちていたから。